ハイ・テキストの路上育成、又は私自身/北街かな
逆側を目指してどこまでもどこまでも伸び切ろうとしている
オレンジジュースたっぷりの空に目玉焼きの瞳がうかんで
だんだんに破裂してゆく とってもおなかがすいてくる
星闇の模様について自説を展開していた かのきみは
天体望遠鏡を抱いたまま、国道の遥か向こうに消失してしまった
最後にきみを観測したのは
電信柱の先っぽ
うごめく、あとさきのさき
その目のうごきを私はすこしも笑えなかった、
かつて目指していた辿り着くべき先端には、太陽光が満ちみちて
やりつくしても食らいきれない題目がひしめきあふれていると想像し
ここに生まれた行き着いたその結実は未来に成ると信じていた
その短慮を、ど
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