道を走る、走り続ける/ブライアン
 
大学が声をかけてくれないだろうか、と淡い夢を抱いていた。けれど、高校3年の春、全く記録の伸びる気配が感じられなかった。悔しさと一緒に無力を感じた。
 
 それとは裏腹に、高校3年の春、同級生は一躍県内トップクラスのタイムを作った。3年生の長距離チームは彼と2人だけだった。
 
 彼も当然、本など一切読まなかった。卒業してからもずっとそうだった。
 最近本を読み始めたんだ、本ってすごい面白いな、と去年の冬にあったとき、彼は言った。その時、そうだろ、と頷くよりも、何で本を読んでるの、と驚きの声を上げ続けた。
彼が本を読む時が来るとは思いもしなかった。
 
 先月、僕の誕生日の日に三浦し
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