海の唄/天野茂典
にかかわる
ピン・ポイントだ 昔恐竜がすんでいたという研究もない
万里の長城のようにしめあげられてそこから
咽喉いったいに不快な活断層がひかれてる
耳の劇場
喉の惨劇
いわば棘がささってぬけない状態なのだ
キリンのように首がながければ
ながめもいいし
レントゲンのうつりもいい
二足歩行をはじめた人間にはじめて
喉に空間ができ
口腔がひらいて
人は
声をもったのだがその声が
挫折しているのだ
医師にも相談しているがなかなかいい解決策がない
わたしは途方にくれている
かつてアナウンサーをめざし
美貌の声をもっていたわたしの声
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