やわらかな殻/るるりら
 
た。
「僕は 家来はほしくありません。ダイヤの成るお花は 
 僕にはどこか怖いのです。」

女の人は だまったまま 何時間かたったでしょう。
おひさまが より 一層 あがります。 女の人は 静かです。 かたつむりが 女神像の背中を這いました。かたつむりは女神像の肩とおしりを 同時に ねばねばと照らします。こんなちいさな像にも 望みがあるのだと知りました。

女の人に朝日が あたりました。女の人は 左手を しずかに天を指差し
「自由こそ 命。ヘブンブルー!」と言いました。天に突き上げられた左手のテッペンに朝日があたると 女の人の周りに とうめいな ぷにぷにとした巨大な朝露
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