やわらかな殻/るるりら
 

花の咲く 速度が なんというか ゆるぎがないのです。
耳をすましてみると しゃらりしゃらりと ガラスののような音がします。

女の人がちがついていて「綺麗でしょ ダイヤの成るお花ですよ。
それが欲しいのなら 私といっしょに暮らしましょう。あなたの欲しいものは なんでも家来が探してくれることでしょう」

女の人の後ろで扉が開いていました。この女の人は 扉の向こうから来たのだと解りました。
僕は ダイヤの成るお花を まじまじと見ていると なにやら 怖い気がしました。ほんとうのお花のように萎えても やわらかいもののほうが 花らしいと思いました。

女の人に言いました。
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