やわらかな殻/るるりら
 
ねばならない」ねば、ねぱ、ねばと かたつむりが いうのです。

ぼくは、かたつむりを ひろいあげて連れて行きました。「ひとりっていうけど、きみは つれていって いいってことだよね。きみは 一匹だもの」
地図の示すまま 坂道を
地図の記すまま 下り坂を
急なカーブを

息が切れて なぜか涙がでました。涙じゃなあないやいと思いました。涙か汗かわからなくなりました。 空気がいつもより ねばねばしていて
ここは ぼくのしらない町だから涙がでるんじゃあなくて すこしも こわくはないと思いました。
ずっと行くと 宝の近くだとおもえるところに 大きなとびらがありました。
あけ
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