わたしたちは星屑の地平に眠る/黒木みーあ
ない、だれか、夜の向こう岸で待つ人へ、ちいさな声で呼びかける。
「「届い・・て・いますか・ここ・から見える星・はビル・・の明かりで・・今にも消えてし・まいそう・です。」」
*
カエルは起き上がりわたしの方を向いた。カエルは何も言わずにただわたしの方を向いていた。いつもそうだった。星明かりが眩しい。ねぇ、とても眩しいね。カエルは何も言わない。いつもそうだった。ただわたしの瞳の奥をずっと見ている。星明かりに混じってパルサーの光が空を駆けていく。カエルの顔は木作りでとても肌触りが良い。愛してる。
カエル、あなたはどこへ行くの。カエル、何も言わないままわたしの奥のほうばか
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