わたしたちは星屑の地平に眠る/黒木みーあ
く。薄雲を照らす赤い光が目の前を横切っていく。またひとつの音が失われたと感じた後に、ひとつの音が生まれた。ごとり。足元を見ると、木作りのカエルが目を見開いてわたしのことを見つめていた。暗闇の中放たれた光の余波に触れ、ダーググリーンなカエルの目の外膜が白く、際立って、わたしを、わたしのことをじっと、ただ、じっと、
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銀河の中心付近、天の川の濃度が濃くなる辺りから、サソリの尻尾を目で追った。アンタレスの赤く深い煌きにわたしの胸が震え始めると、カエルはすぐに、南斗六星を指差した後、横へ腕を流した。ひゅっと、一筋の流れ星がアンタレスの煌きと弾けて、天の川のせせらぎに一段と強い光が灯
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