わたしたちは星屑の地平に眠る/黒木みーあ
 
の芽が出ていたので、カエルにあげようと思いいくつか摘みとった。摘みとった場所からはまた同じように小さな芽が出てきて、辺りには湿った空気が流れ始めている。カエルは既にバス停の下で仰向けに寝転がり、灯り始めた星明かりの宴を見つめていた。わたしはカエルの傍に駆け寄り、同じように隣で寝転がった。


 *


人々が眠りにつく頃、メガストラクチャーから放たれる警告灯の赤い光が空を駆け回っていく。
フォール、ダウン。

 わたしの声が・・届い・てい・ますか?

ぶつ切りの声は夜風に流され、白い花柄のレースが膨らみ、波打つ。幾度も、寄せては返し、少しずつ鈍くなる回路に、言葉を忘れていく。
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