七夕祭/明楽
 
忙しくて手の空いている星がなかなか見つけられない。


二、

清らかな心の子供が誰もの願いが叶いますようにと願った途端、世界は欲望渦巻く阿鼻叫喚の地獄絵図となった。


三、

たくさんの願いで重みを増し、軌道を逸れた星が地球を目指し接近している。


四、

願うばかりで誰も自分の願いを叶えてくれないと、星は八つ当たりで辺りに金平糖を撒き散らしている。


五、

恵まれない人の願いを叶えようと、その人の元へ星々が流星群となって降り注いでいる。


六、

寛大な星は謙虚で控えめな人のたった一つの願いも、欲張りで傲慢な人のたくさんの願いも分け隔
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