七夕祭/明楽
 
い逢瀬のはずなのに、何故か一年後の話ばかりをしてしまう。


四、

天の川を見上げながら散歩をしていた恋人たちが、あちらこちらで溝川に落下し助けを求めている。


五、

一年ぶりに再会した恋人たちは、七センチのぎこちない距離を保ったまま川原で星を眺めている。


六、

七夕の日に「またね」と言い残して死んだ恋人と、毎年三途の川で再会している。


七、

会えなかった一年間で積もり積もった言葉はどれもこれも癒着してしまい、結局夜明けまで無言で過ごした。



「星に願いを」

一、

星に願いをかけようとしたが、どの星も誰かの願いに忙し
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