借りた詩集 天野 忠詩集/ふるる
だという嘆賞がついてまわるのである。何度も手術したからだでは書けねえや、というような妙なこだわりをもちながら、いわばスターを仰ぐように、この美しい死者の移行を楽しんでいた。」「『動物園の珍しい動物』の出現に、詩壇は驚愕すべきであった。三島由紀夫だけがひそかな驚愕者で(中略)なんらかの異変を期待したが、三島由紀夫の自刃でおわった。」
天野氏は長く詩を書いて、詩集も色々出していますが、初めて受賞したのは、田村隆一や山本太郎が選考の「無限賞」(詩の賞?)で、六十五歳の時だったとか。やっと詩壇が驚愕したってことか。遅い!しかし、H氏賞は、黒田三郎の『ひとりの女に』や吉岡実の『僧侶』との接戦だったというか
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