借りた詩集 天野 忠詩集/ふるる
 


けれど
私は探しにいかないから
隠れた人は
いつまでたっても出てこない。

もう直き
私もそこへ隠れるだろう。
誰も探しに来る筈のない
私の行ったことのないところへ。



(『万年』より)

うーん、上手い。百までかぞえないうちにって、かくれんぼの鬼が数を数えるやつでなくて、年齢のことだったんですね。
こうして読むと、かくれんぼって隠れてる方は死後の世界なのかなあって思います。探してくれないと、いないも同然、死んだも同然。見つかるドキドキと、見つけてもらえないドキドキ、両方ありますね。
こういうのがライト・ヴァースだとすると、同じ平易な短い詩でも、なんか「
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