借りた詩集 天野 忠詩集/ふるる
 
いのが多いのですが、だんだん、ライトに、日常に、なってきます。(表面上は)
この、短く、平坦な言葉で書かれた詩、見事というほかはありません。無駄がない。昔の詩が無駄があるわけではないのですが、なんだろ、年取って、必要なのはお茶碗一つだけになった、みたいに、色々言わなくてすむようになっちゃった、とでも言いましょうか。表面はあっさりだけど、老いを扱ってる分、いくらか重い。ライトなのにヘビー。このバランス。いや〜色々いますね、よい詩人が・・・。
一つ載せましょう。



「かくれんぼ」


百までかぞえないうちに
みんな
消えてしまった。
どこへ隠れたのか
私は知っている。

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