【句評】 桃破壊する少女/ふるる/古月
食動物のキョトンとした表情なども、考えると楽しいだろう。
一読、傑作だと感じた句。
妹の悩みの種を埋めてきた
妹の「悩みの種」という形のないものに形を与え、「埋めてきたよー、花が咲くといいね」というような微笑ましい読み筋がある一方で、暗い読み方も可能である。
仮定の話ではあるものの、妹の悩みの種といえば男ではないか、と想像をひろげるのはあながち無理なことでもない。それをいましがた埋めてきた、となれば、これは一転して猟奇的な句に読める。
まあ、無理にそう読むこともないが、「悩みの種」と「植物の種」を重ねる発想が一発ネタに留まらず、世界観を広げたことを評価したい。
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