愛しのデミオ/森の猫
しは末娘を
助手席に乗せ
合計3人の命を運ぶ
毎日 毎日
体調の悪い日もあった
めまいが 運転中に
起きないよう 祈りながら
ハンドルをにぎる
デミオくんは
あたしとふたり
息子と娘を献身的に
守ってくれた
一度 追突事故に発展しかねない
かるい衝突のときは
示談で済んだ
約9年 無事故で
勤めあげた
息子が大きな新しい
車椅子に買い換えることになり
車椅子が入る ワンボックスカーを
買うことが決まった
ほとんど
その直後
事故は起こった
冬が近い 寒い雨の降る夕方
あたしは いつものように
マンションの駐
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