スピカ/ねことら
 
いでしょ
そうやって笑う君の笑顔には一点の曇りもなかったね
ウォータ、ウォータ、
どうかこのやさしいひとを
あかるいほうへ導いてくれますように



大通りが苦手なぼくらは
鄙びた公園のベンチや
地下鉄の薄暗い階段にすわりこんで
ジュースを片手にふわふわと恋の話をした
それは終わりのないなぞなぞごっこだった
きみはルーレット付きの自動販売機が好きだったね
もう、そういうのは時代遅れだったし
たまに見かけても錆の目立つぼろぼろのやつで
硬貨を入れて作動しないことも珍しくなかった
けど、ちゃんと動いて、そして当たったりしたときには
君はまぶしいおもちゃみたいに

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