スピカ/ねことら
をよみつづけていた
スピカ、ぼくらの会話はいつも泡みたいで
たとえるならペプシコーラ、それは合成甘味料のぜつぼう
髪の毛をねちゃねちゃさせながら
引っかけあって遊んでいた
朝にはきりり、とマイナスもプラスも充填して
夕暮れにはさっぱり使い果たしていた
けいさんなんてわたしらぜんぜんできないよね
うん、それでいいし、それがいいよ
スピカ、君は親を知らない
だからかもしれない、君は
火の出るような目をしている
お守り代わりにしていた
大好きなヘレンケラーの伝記には
オレンジ、青、ピンクの蛍光ペンで
たくさん線が引かれていた
賑やかな遊園地みたいで
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