大好きな詩人を紹介してみます  「北園克衛」/非在の虹
 
ですが、それらが持つ「遊び」が感じられません。
あるいは語彙のせいでしょうか。

ビジュアル面もふくめてこのような表現は、いっそ未知に触れた思いがしたものです。
作品は全八連あって、最終連は以下のようです。


その
幻影



陶酔

黒い砂
あるひは
その
黒い陶酔

骨の
把手


内容がさらに展開してゆくというよりは、悲劇のまわりをグルグルとまわって円環から逃れられないかのようです。

「夜の要素」は詩集『黒い火』におさめられています。
『黒い火』は昭和二十六年、五十歳の北園克衛が出版したものです。
同年にもう一冊、
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