大好きな詩人を紹介してみます 「吉田一穂」/非在の虹
明治三十一年)北海道に生まれ、1973年(昭和四十八年)に亡くなりました。
岩波文庫版吉田一穂詩集の編纂者である加藤郁乎氏はこう言っています。
「花よりも三角形を美しいと見る抽象化された思考また幾何学的発展の方法を重んじ、感性とか抒情などに没する」のを拒んだ詩風。
「考えて考えぬく思考本位の詩人」であると。
しかしそれがため、抒情詩が主流の一般読者に受け入れられずに、
「孤立する名誉を誇らかに貫いた」生涯だったようです。
なるほど「白鳥」という作品など、読後一瞬にして了解、というわけには行きません。
しかし「母」には、麗しい抒情があると言えないでしょうか?
きちんと
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