ヒステリカル-ロジック-03 行方不明最先端都市/北街かな
ぜんまい式伝書鳩やくさび型電波や暗号や高音低音低速超速の規則的律動などが
いそがしくばからしくあっちにホイこっちにバビュンと
無意味なデータを打電しあっていた気がしたけれど
この砂と瓦礫のつづく
なんとなく区画されていたかのような場所は
ただその上方に
消えかかった明星を戴くのみだ
あんなにうるさくてだいすきだった、ののしりあいや友好的談話模様や空っぽの平和音楽は
いったいどこにいっちゃったのだろう?
飛びでた原色のコード類から体液やらなんやらをだらだらずるずる、滴らせ
かつての交差点に出てみれば
信号機だけがひょろりそびえていて
ぺかぺかと三色を交互に断続的にまたた
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