ヒステリカル-ロジック-03 行方不明最先端都市/北街かな
て
硝子のなかに煩雑にねじこんでしまって
なおのこと、押し黙る。
こわれた街は透明なんだか半透明なんだか
それでも七色のまま、ぼんやりとひかって、
そこらへんにしんみり広がっていた
東のそらは黄色なんだか桃色なんだか
西のほうは紫なんだか藍なんだか
それこそ、無言の地平に横たわる街だったものと
よく似た七色で
空も地上も、なんだか判然としないまま、
ぴゅうと気の抜けた空っ風を吹き流しているばかりで脳が病んでくる
耐え難いと判断した
鉄の少女は
喉からよくわからない音声をむず痒そうに小さく発した
七色の街の上空では
アドバルーンやパトローラーや気候衛星や
ぜ
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