軌跡/ロリータ℃。
くて…」
「だからなんだっていうのよ」
思いきり脇腹を蹴りつけると、どかっと鈍い音がした。
全身素っ裸でマスターベーションをかれこれ2時間強要されてる彼は、すみません、と小さくか細い声をあげる。
興が削がれて、私は彼を見下し煙草をくわえる。すかさず彼が火をつけた。
私は何も言わずに煙を吐き出す。
ゆらゆらゆらゆら、のぼっていく煙を見つめて考える。
私はあの時彼を心から愛し、その全てを受け入れ尽くした。
長いスカルプをつけた指先は、料理の邪魔。そんな理由で不細工になった爪は、久しぶりに伸び伸びと呼吸した。
黒く染めた髪も彼の好みだった。
けれど彼は私を誉めこそすれ
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