川向こうの大火/TAT
 

『お嬢さん、私は楽しい道化役者です。でもね、道化役者というものは本当は心の奥にどうしようもない深い闇を抱えている、悲しく恐ろしい生き物なのですよ。そして今からその闇で、あなたを丸呑みにします』と言うんじゃないかしらと

今にもそういった事が起こるんじゃないかしらと





花壇の無い裏門から帰る事にしました












クラウンは現れなかったけれど


その夜寝静まった私の家の一階の客間に大火が現れて





大火は

父と

母と

弟と

ピアノと

その他の全てを連れていってしまいました


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