散文詩-彼方に寄せて/黒木みーあ
の家無しの人々を、少しずつ白く染めていった。わたしは、それらをじっと見つめながら、時折不規則になる機械音に、意識を傾けていた。かがり火は淡く、夜露に濡れて、わたしの意識は、わたしの知らない所、窓枠の向こう側で、眠り、呆けているようだった。その空白の中を、脈が打ち、ゆっくりと伝う、遠く半身が、わたしを見つめている。
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(( 今日は、冬だというのが嘘みたいな陽気で、野の道には、数歩先の春を飛び越え目を見開いた、瑠璃唐草が晴天を仰いでいます。ウルトラマリン、コバルトブルー、セルリアンブルー。いくつもの青のグラデーションは、何度見ても飽きることがありません。わたしはといえば、相変わらず
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