散文詩-彼方に寄せて/黒木みーあ
らず、眠る場所を探し歩いてばかりいます。けれど、夜露に濡れた土の、湿った匂いを吸いこみながら歩いていると、不思議な程安らいでいくのがわかるのです。そんな時わたしは、確かにひとつの存在として、ここに、居るのだと感じることができるのです。
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寒さに震えながら草原に寝転がると、眼前の夜は視界の端で円くなり、人明かりひとつないこの場所では、微小の光粒が犇めき合いながら、わたしとの空間を、共鳴し合うその輝度で押し縮めていた。このまま、この場所で眠れたらと祈っていた。ひとつ、またひとつ、薄れた時間の感覚の狭間の中を、遥か大気圏を隔てた暗黒の塵は、長く尾を引いて、燃え尽き、消滅していく。けれど
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