散文詩-彼方に寄せて/黒木みーあ
 
まいそうな朝には、深く重たい霧がゆうらと、鈍い足音で中空を闊歩していくのです。山間から射し込む光は朧気に、僅か先も見えなくなような、そんな、朝がわたしは好きです、それは、わたしの中で始まりか終わりかと言えば、やはりそのどちらでも、無いような気がしています。
 
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真夜中過ぎの、無人公園。眠ることのない家無しの人々は、使われなくなった遊具を取り囲んで、一斉に火葬を行っている。それぞれ、それぞれが両手には大小の火を持ち、もう、帰る場所の無いものたちには、次に生れていく場所も無いのだと言う。( 凍てついた、夜風に蠢く炎の中では、木造りのシーソーが、番いのまま崩れ、落ち ている。一際大きな
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