夏の現実/番田 
 
Tシャツを着ていて、僕だけがジャージだったので、何故か、少し浮いた。家に帰ってネットを見た。ネットでは主に誰かのブログを見て回っている。私だけが、人々のプライベートをそこで見て回っているようにも感じる。そして、自分の生活を忘れてしまおうとした。

「ハクション。」
夜に響いたくしゃみは池の波紋に伝わって、波となっていった。魚の一匹でもその居場所からぴくりと動かされたのかもしれない。家電の街だったはずの秋葉原では、もういつかのセールのようなことはやっていないのだろうか…大分昔は店頭でタイムセールのようなことをやっていて、格安で新作ソフトを入手できたりしたものだった。私は現前にある隅田川の上に架
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