猫/アマメ庵
 
まったのかも知れないと云う考えに至った。
知らないうちに屋根裏か床下に居て、起居を共にしているのかも知れぬ。
そうだとすれば、進入路がないことにも納得できる。
それに、閉じ込めてしまったのだとすれば、申し訳ない気持ちもある。

天気に良い日。
私は、窓を開けた儘にして、仕事に出かけることにした。
そうすれば、奴らは脱出できるはずだ。
新たな猫が来る可能性もあるが、それはその時考えるとする。
そもそも我が家の残飯は、決して豪華とはいえない筈だ。
出て行きたがってるに相違ない。

しばらくの間、何事もなかった。
塵箱は漁られたような形跡もあったが、気のせいの様にも思われた。
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