猫/アマメ庵
追うか、猫が逃げるか、どちらが先かわからぬがバタバタ、ドタドタして、奴は屋根裏に行ってしまったた。
ははん、あれは呑み癖が悪いわけでは無く、猫の仕業だったわけだ。
天気の良い朝に家の周囲を見回ると、土間の脇あたりに掌程の穴がある。
ここが猫の出入り口に相違なく、早速に端切れと釘を見つけては塞いでやった。
ところが、またある晩、私がテレビを観賞していると背後で動くものがある。
振り返れば、猫、黄色く汚い猫が将に塵箱を漁っていた。
はて、一体どこから入ったものか。
一匹ではなく、何匹かはルートを知っているらしい。
また、家の周囲を見回した。
猫は頭が入ればどこでも入れると
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