怪物と少女/itukamitaniji
 
いつものように話したのでした
それは良かったね、素敵なものが見れるといいね。
怪物はそう言って 笑ったのでした





私が見たいものはね。


そういって少女は 怪物の目の前で
薬を一気に 飲み干してみせたのでした
怪物は驚き戸惑いました 僕の姿を見たら
きっと少女は 逃げ出すに決まってるって

怖くなって 逃げ出そうと震えている怪物に
少女は寄り添って 小さな手で大きな手を掴みました

この世界には たくさんの物があると
あなたは一生懸命 わたしに教えてくれたね
どれも素晴らしいけど 私が一番見たいものはね。


大切な友達、あなたの姿。

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