イン/蠍星
 

カイボウ学の教科書は廉いポルノのように
ぼくらを痛めつけました。
あのコはセックスのはなしに眉をひそめたけれど
歯をみせて笑うのです。
くちのなかは粘膜がおおっていて、
舌がうねって、しめっていて、あたたかくて、
もとめれば唾液があふれ、
のみこむ。
くちとあそこの場所をとっかえたとして
ぼくらはどちらをかくして
生きていくのが正しいのでしょう。
それでもあしのあいだにモザイクがかかるなら
ぼくらが恨むべきはおとなたちでなくて
ぼくらのDNAであったでしょう。

だっていのちを喰うんだろう?
いただきますって

陰とか、淫とか、
そんなくだらないことばで
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