イン/蠍星
 
ばでくくられた
inとか、インとか、
そんなことばかりがぼくらの日常で
いち たす いちが
さんになることより
いち たす いちが
いちになることのほうが
きれいでなくてはいけない世界に、
ぼくらは生きていました。
しろいシャツは汗で素肌をすかすので、
ぼくは飽きもせずあのコの背中に欲情して
居ました。

みんながえがおで、
いただきます。
と、さけぶことを強制された教室で、
ぼくらは
夏でした。
ああ、だからニンゲンは
あらそいをやめないのだ。
とそう気づいたのは思春期のころでした。

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