接触への欲望、虚構による螺旋/葉leaf
 
を描く。
 さらに、虚構を生み出す作者の精神の運動も、螺旋を描く。現実の情景や心情・記憶に基づく記述から虚構の記述へと飛躍するとき、想像力が心の深みから虚構の世界片を汲み上げる努力をする。この汲み上げはまっすぐ垂直には実現せず、周辺領域を舐めながら螺旋を描く。

丘陵地帯ランゲに 風が吹いていく
ヒナゲシの赤が吹いていく
ハシバミの枝が吹いていく
       (「吹いていく」より)

 「吹く」という動詞の主語は基本的に気体か液体に限られ、例外的に「芽吹き」という表現があるくらいである。だから、「ヒナゲシの赤」が「吹く」というのはまず言語のレベルで論理的に不可能であるし、現実のレ
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