酒場での一幕(愚痴)/pur/cran
めな顔をして話しているのだ。彼の目下の敵は止め処なく進行する時間であるのに、彼はその時間に傅いては、ちらちら様子を横目でうかがってばかりなのである。その幅寄せが、くだらないその結果と云うものが、わたしの生活の上に及ぶのだ。もう堪えきれん!と私は仲間に幾度漏らしたことか! それでも決定権は彼にある。気まぐれな彼にあるのだ。
曼荼羅を描かねばならないなどと云う突拍子もないことを言い出したのも彼ならば、先ほど否定したのもまた彼なのだ。曼荼羅を描くための塗料も場所も用意したというのに、すぐさま徒労に終わる。毎日がほぼこれの繰り返しである。時には、万事がうまく言ったといえるときもある。彼が思いつき、すぐ
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