青噛む春/水町綜助
を覗き込んだり
空想を張り巡らせたりした
そして結局野菜ジュースを飲む
とても、おいしいのだ、と、そんなある日
星肉について考えた
色は赤
まあ予想通り、爆発したのち地球に無数に降り注いだ肉片だ
グレービーソースが大気圏突入で焼かれて
焦げた風味がアクセントで
とりわけ旨いと
そんな訳はないし、これは人類への比喩でもない
ほうき星&チョコ
その名前のかがやきに何かしら期待をしただけ
まあ、そんな星が降らなかった街でその来し方について調べながら春を待っている
恩返し、とつぶやきながら冬を見送り、とげ刺す冷風をわすれ、チョコがやわらぎ、
「名前忘れちゃった」とひとこと告げ
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