青噛む春/水町綜助
 
嘲の台詞をのべ
そのあと沈黙



僕は、予防線をはるのだった」

のだから





生まれ故郷のとあるビルの一室で
干肉をしがみながら電話
コーヒーと合わない
栄養についての質問
タンパク、そしていくつかのビタミン
後はよくわからんと答えると
それでは体を壊すと諭される
野菜はやはり生きているに限るのだ
畑から芽を出すキャベツの若芽をかじり
土も少し食べる
あのしんしんと降り積もったような香り
夏の夕立が夏を
目にうつる
夏の一面を
濡れそぼらせるほんの一瞬に匂い立つあの
そんな味覚で僕は体を補填し続けては
日めくりの少し先を覗
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