自殺志願/攝津正
ら来ていると認識しているが、私は、もう、両親から独立、自立する気は毛頭ない。両親と共に生き、両親が死ねば私も死のうと思っている。本気でそう思っている。
両親は、小説というだけで内容を確かめもせずに高尚なものだと思い込んでいる。内容は同性愛や自殺など両親が好ましいと思わないであろうものかもしれないのに。そのことを思うと、一切が茶番だと思い、馬鹿らしくもなるが、しかし、好きなことをしろ、文学をやれ、という両親の命令を真剣に、真面目に受け取り、死ぬまで死ぬ気で書き続けようと決意している。たとえそれが、文学的には価値のない下らぬ屑だったとしても、それはそれで構わない。屑でもゴミでもなんでもいいのだ。も
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