自殺志願/攝津正
 
る。内容を訊ねもしないで。私がこのようなものを書いていると知って、なお喜んでくれるだろうか。『労働』『生きる』『シコシコ』はプリントアウトしたものを前田さんに郵送してもらって両親にも渡してあるが、本連載『自殺志願』は明らかにベクトルが逆である。あからさまに死のほうを向いている。死にたい、と言えばまた、入院させるだのと喚くのだろうか。きっとそうだろう。両親は、私が死にたいと言うと、医者でないので自分らにはどうにもできない、入院してくれ、と言う。それは正しいだろうが、しかし、入院する金もないのもお互いに暗黙にわかっているので、虚しい問答である。われわれの親子関係は病理的なのだ。私の希死念慮はそこから来
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