自殺志願/攝津正
事は外気、他者と触れる場でもあった。社会との接触でもあった。倉庫の仕事を辞めると、現実の場で他者と接触する社会性の機会はなくなる、と予測した。だが、どうにもならなかった。
私は、創造をすると言いながら、ろくなことができなかった。これも小説と自称してもブログの延長でしかないのを自覚しているし、ピアノ演奏も中途半端だし、三味線もやめてしまった。料理も作れなければ、コーヒーも入れられない。無能の人である。駄目な人である。というふうに、幾ら自虐しても仕方ないのだと思ったが、私はそうすることをやめられなかった。それが私のビョーキと言っても良かった。自虐は自己愛の裏返しである。理想化された自分、そうであれ
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