石化/結城 森士
り刻んでいくのを、焦燥した眼差しで眺めては
(いけない。このままでは…。
血脈が一定のリズムを刻みながら首筋を伝わり、憔悴した表情が夜の窓に写りこむ
しわがれた低い男の声だ
(おれが正しいのならば、おまえは間違っている)
それは違うのだと、あらん限りの声で叫んだ。
大声で泣き喚いた。床に頭を強く打ち付けて許しを求めた。
まるで出口の無い箱の中に閉じ込められた野獣のように、暴れ、なんとかして抜け出そうと、壁を叩きながら小さな部屋の中を動き回った。
急に走り出しては壁に激突して、身体を傷つけては血を流し、壁面の古傷はとうに変色してドス黒い染みをつくったまま、
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