言い換え/井岡護
前進せぬ侵入に対して無いという意味の振動しか発さないでしょう
それは自らであろうと湾曲が折れないためです
しかしそれが三日月の氷を口に含む時にそれは変わります
私の動かないシャツと鉄の机は
片方の掌ですくい上げることができる程に歌いだすのです
鞄をこしらえる彼の
(あるいは彼に触れるあらゆる物事の個別化された傷の)そうした波紋が
先の直接的な言葉の撹拌の中で何度も何度も述べた
強固な滑りへの沈下において遭遇する何度も何度も旋回し降り下り染み渡り乾いた
あの霧状の不可知をはっきり記憶していると
次に
通り抜けることの出来ない名前の付着した動物は
見つけ出そうと
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