生きる/攝津正
のだろうか? よく分からぬ。或る人は、攝津は典型的な欝病ではないと言う。ラピッドサイクラーか? 短時間で躁鬱の上がり下がりを体験するのは恐ろしい。将来が見通せぬ不安もある。だが、そういう自分を抱えて「生きる」しかなかった。
──攝津さんに対して「彼のことを本当に心配するんなら、誉めてばかりじゃダメだ。」ってスタンスがあるんじゃないですか? 僕はそんなことはしませんよ。断っておきますが。^^
と、前田さんが言った。
──僕は文字通り攝津さんを誉め殺すかも知れない。しかし、それは攝津さんや僕の運命としか言いようが無い。
それを聞いて攝津は、そうだ、確かに「運命」なのだと思った。喜劇
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)