生きる/攝津正
 
分自身が終っているという感じ。
 八時間通しで働くのが無理だ。それなのに自分が一家の大黒柱として世帯収入を得ねばならぬなど無理だし無茶。

 攝津は金曜日、土曜日と通しで出勤出来た。という事は、月曜日から木曜日迄欠勤したり早退したりしていたという事だ。これはいけない。来週からはシフト表通りの出勤を心掛けよう、と攝津は思った。
 攝津が快復したきっかけは些細な事であった。木曜日の帰りに、ジャッキー・マクリーンの『マクリーンズ・シーン』を聴いていたら急に元気になってきたのである。その辺りの事は良く分からぬが、アップダウンの激しい気質に自分でも振り回される思いだ。診断はそうではないが、躁鬱なのだ
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