生きる/攝津正
チュアと看做されるのだろうなあ、と攝津は考えた。それでも、前田さん、iwaさんのような方々から支持されればそれだけで好運と思うべきだ、とも考えた。ここには三人(だけ)の濃密な共同体が成立している。
攝津は週末にしかピアノを弾かない、弾けない。だが世のコンサートピアニストは一日八時間練習しているだろう。その差異を思うと気が遠くなる。しかし、賃労働していなかったとしても、攝津には一日八時間練習する事は無理だったろう。何より根気と体力、気力が続かなかったろう。
それに仮に、プロのピアニストになれていたとしても、ツアー続きの生活に堪えられなかっただろう。攝津は、自宅に帰り、両親と共に食事をし、自分
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