生きる/攝津正
時はドゥルーズを読んで生きていくのだと本気だった。
何故か覚えているのは、『哲学とは何か』でドゥルーズが、出来事はle temps mortに起こる、と述べていた事だ。直訳すれば死んだ時、ロスタイム。例えばパソコンの電源を入れて、立ち上がる迄待つ時間など。何故そのような時間が重要なのかは理解出来なかったが、ドゥルーズの不思議な着眼点が面白かったのは印象に残っている。
ドゥルーズを読んだ事が自分の人生に何の影も影響も落としていない事はあれだけの熟読は結局全く時間と労力の無駄だったのかと自問せざるを得ない。攝津には哲学は向いていなかったのか? 攝津にはヘーゲルやフッサールは退屈だった。デリダは
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