生きる/攝津正
 
依存症がちと怖くなる。攝津、大丈夫か? 大丈夫じゃない? うむ。来月は買い物を控えよう。
 攝津は消費しまくる資本主義の豚だ。豚として生きている。
 豚! 豚! 豚! それが攝津の称号だ。
 禁欲は攝津には無縁だった。浪費しまくる事こそ生き甲斐だった。

 攝津は買い物依存症を除いては、全くの「良い子ちゃん」、親の言うなりに生きてきた。親の夢と理想を叶える為にのみ生きてきた。早稲田大学に入った時迄はどうにか良かった。大学院に進んだのが間違いの元だった。ここは一つ、どこでもいいから好条件の企業に就職しておくべきだった。そうしていれば、今の困窮している自分は無かった、と思う。だが、攝津は世渡
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