うっすらが広がる世界-埋葬幽霊- なをさん/kokorono
 
いのはくつなんよ」
幽霊のことをわかっている人はこれに応えて、
「御供養するのはよしにしました」
「みたいやった、と/おしえてあげると」
すこし大人びてやさしいです。

幽霊はうっすらと生きています。
傷ついてお行儀のいいひとなので冬のあいまは土のなかです。
こころが死んでしまわないので、消えてしまっても、またあらわれそうで、せつなくも、かなしくもなく、うっすらとしたやさしい感情がのこっておわります。

*

詩の作り方として
この詩は、足で題材の骨格を作っています。
「裸足のあしのうら」
「つまさきをそろえて」
「ほしいのはくつなんよ」
「可愛いらしいあしやった
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