受賞者発表(2)/相田 九龍
 
の収穫であった。

また現代において絶滅危惧種に指定されている稀有な詩の読み手の一人としても、
一人の詩人、そしてその作品に向きあうという姿勢において、香瀬氏には詩の書き手・読み手として
今一度立ち返り、また顧みるべき真摯さがあった。

これは私自身においても反省すべきことでもあるが、ただ自分の考えを垂れ流し、
それを「批評」というレッテルを貼れば通用すると考えているような書き手にとって、
「批評とは何か」ということを考えさせる意味でも、一線を格す見事な批評となっている。

* * *

「失われた『鈴子』を求めて」香瀬
擬批評文体と擬小説文体とのハーフ
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