知らない子供/智鶴
君は夕暮れ朱色の雲の影を追い掛けて
何処か知らない遠くの国へ迷い込んだんだ
此処には君がいなくなって少し寂しいけど
何処か知らない遠くの国の子供が踊っている
いつか君の背中には
大きな獣の爪痕のように
知らない国の言葉が刻み込まれて
紅が流れ出ていたね
子供たちの不調和なダンスも
もうすぐ終わりそうだよ
顔の青白い子供がまた一人消えた
見えない君に恋をしていた
何も知らないまま
君は知らない国で生まれて
僕を忘れていく
僕は真夜中漆黒の空の底を知りたくて
何処か知らない遠くの国へと忍び込んだんだ
暗くて狭い湖の中はもう息苦しくて
君の旅立った遠くの国
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